山林の相続税評価は「土地」と「立木」を分けて考えます

山林を相続したとき、相続税の申告で評価しなければならないのは2つの財産です。

評価する財産よりどころおおよその考え方
土地である山林財産評価基本通達45〜523つの区分に応じて、倍率方式または比準方式
立木(生えている木)財産評価基本通達111〜127
相続税法26条
樹種・樹齢・搬出の便などから評価し、一定の場合は時価の85%

「木にまで税金がかかるのか」と驚かれる方も多いのですが、杉やひのきの人工林は、売ればお金になる財産です。財産評価基本通達は、これを「立竹木」という独立した節(第5章第2節「立竹木」)で扱っています。

[「山林」と「原野」は別の地目です]
相続税の評価では、課税時期(相続開始日)の現況の地目で判定します。登記簿上は「山林」でも、木がなく草地になっていれば原野として評価することがありますし、その逆もあります。原野・雑種地・農地の評価については畑・原野・駐車場の相続税評価の記事で整理しています。

まず「どこにある山か」を確認してください

山林の評価でいちばん最初にすべきことは、その山がどこにあり、周囲がどうなっているかを確認することです。同じ「山林」でも、奥地の山と、住宅地に隣接した山では、評価方法も金額もまったく違います。

確認の手がかりになるのは、次のような資料です。

まず区分から――純山林・中間山林・市街地山林(財産評価基本通達45)

土地である山林の評価は、次の条文(通達)から始まります。

山林の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げる方式によって行う。
(1) 純山林及び中間山林(通常の山林と状況を異にするため純山林として評価することを不適当と認めるものに限る。) 倍率方式
(2) 市街地山林 比準方式又は倍率方式
財産評価基本通達45(評価の方式)

3つの区分は、おおまかに次のように整理できます。

区分イメージ評価方式通達
純山林市街地から離れた、いわゆる「ふつうの山」。宅地の影響をほとんど受けません。倍率方式47
中間山林別荘地や市街地の近郊など、通常の山林と状況を異にするため純山林として評価するのが適当でない山林。倍率方式48
市街地山林市街化区域内など、宅地に転用できる状況にある山林。比準方式(または倍率方式)49

区分は、評価倍率表で確認できます

どの区分にあたるかは、国税庁が公表する評価倍率表を見ると分かります。山林の欄に「純」「中」「市比準」などの表示と倍率が記載されており、「比準」「市比準」と書かれていれば市街地山林として比準方式で評価することを意味します。

最新の倍率表は国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」でご確認ください。倍率は毎年改定されますので、必ず「相続が発生した年分」のものを使います。

純山林・中間山林は倍率方式――固定資産税評価額に倍率を掛ける(通達47・48)

純山林と中間山林は、どちらも倍率方式で評価します。条文は次のとおりです。

純山林の価額は、その山林の固定資産税評価額に、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況の類似する地域ごとに、
その地域にある山林の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。
財産評価基本通達47(純山林の評価)
固定資産税評価額 × 倍率 = 純山林・中間山林の評価額
通達47・48(倍率方式)

中間山林の条文(通達48)もほぼ同じ形ですが、倍率を定める基準が「地価事情の類似する地域ごとに」となっている点が異なります。純山林は地勢・土層・林産物の搬出の便といった林業の条件で地域を区切るのに対し、中間山林は地価の事情で区切る、という違いです。

[倍率方式は、比較的わかりやすい計算です]
純山林の倍率は、地域によっては数十倍と定められていることもあります。これは、山林の固定資産税評価額がもともと非常に低く抑えられているためで、倍率が大きいこと自体に驚く必要はありません。大切なのは、正しい年分の倍率表から、正しい地域の倍率を読み取ることです。

市街地山林は宅地比準方式――宅地としての価額から造成費を引く(通達49)

ここからが、山林の評価で金額がもっとも大きく動くところです。

市街地山林の価額は、その山林が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額から、
その山林を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として(中略)
国税局長の定める金額を控除した金額に、その山林の地積を乗じて計算した金額によって評価する。
財産評価基本通達49(市街地山林の評価)本文
(宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額 - 1㎡当たりの宅地造成費) × 地積
通達49(比準方式)の基本算式

「宅地であるとした場合の価額」は、その付近にある宅地について通達11(評価の方式)に定める方式によって評価した1㎡当たりの価額を基とし、その宅地と山林との位置・形状等の条件の差を考慮して評価します(通達49の注1)。

なお通達49の注1は、その山林が宅地であるとした場合に通達20-2(地積規模の大きな宅地の評価)の適用対象となるときは、その定めを適用して計算することに留意する、としています。広い山林では、この点も確認が必要です。

倍率が定められている地域は、倍率方式で評価します

通達49には、ただし書があります。市街地山林であっても、その地域について倍率が定められているときは、固定資産税評価額にその倍率を乗じて評価するという内容です。評価倍率表を見れば、どちらによるのかが分かります。

「宅地への転用が見込めない」場合は、純山林に比準します

市街地山林であっても、急傾斜地であるなどの理由で、宅地にできない土地があります。その場合の扱いが、通達49の「なお書き」です。

その市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合には、
その山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価する。
財産評価基本通達49(なお書き)

そして、この「宅地への転用が見込めないと認められる場合」の意味は、通達49の注2に明記されています。

通達49の注2――2つのどちらかにあたる場合です

① その山林を本文(宅地比準方式)によって評価した場合の価額が、近隣の純山林の価額に比準して評価した価額を下回る場合

② その山林が急傾斜地等であるために宅地造成ができないと認められる場合

①は、造成費が高くつきすぎて、宅地として評価するとかえって純山林より安くなってしまう場面です。この場合は純山林に比準します。実際にどちらにあたるかの判定は、傾斜や造成費の見積りなど専門的な検討を要しますので、必ず税理士にご相談ください。

STEP 1評価倍率表で
区分と倍率を確認
STEP 2純・中間なら
固定資産税評価額×倍率
STEP 3市街地山林なら
宅地比準-造成費
STEP 4転用が見込めなければ
近隣の純山林に比準

伐採が制限されている山林――保安林等(通達50)と特別緑地保全地区(通達50-2)

山林のなかには、法律によって自由に木を切れない土地があります。代表的なのが保安林です。水源の涵養、土砂の流出防止といった目的のため、森林法25条・25条の2にもとづいて指定されます(民有林の多くは25条の2により都道府県知事が指定します)。

自由に伐採できないということは、その分だけ価値が下がっていると考えられます。通達50は、この点を評価に反映させています。

森林法その他の法令の規定に基づき土地の利用又は立木の伐採について制限を受けている山林の価額は、
45から49までの定めにより評価した価額から、
その価額にその山林の上に存する立木について123に定める割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する。
財産評価基本通達50(保安林等の評価)

ここで使う「123に定める割合」は、立木の評価に使う控除割合です。つまり、土地の評価も、立木と同じ控除割合を使って減額するという組み立てになっています。その割合は次のとおりです。

法令に基づき定められた伐採関係の区分控除割合
一部皆伐0.3
択伐0.5
単木選伐0.7
禁伐0.8

制限が強いほど控除割合が大きくなり、まったく伐採できない「禁伐」では8割の控除になります。

[保安林は、固定資産税が非課税とされています]
通達50の(注)は、保安林は地方税法348条2項7号の規定により、固定資産税は非課税とされていることに触れています。そのため固定資産税評価額が付いていないことがあり、倍率方式で評価すべき保安林については、通達50が「その山林の付近にある山林につき45から49までの定めにより評価した価額に比準して評価した価額」を基礎とする旨を定めています。

特別緑地保全地区内にある山林は、80%の控除(通達50-2)

都市緑地法12条に規定する特別緑地保全地区内にある山林(林業を営むために立木の伐採が認められる山林で、かつ、純山林に該当するものを除く)は、通達45から49までにより評価した価額から、その価額に100分の80を乗じて計算した金額を控除して評価します(通達50-2)。立木についても、同じく80%の控除が定められています(通達123-2)。

立木の評価――標準価額に地味級・立木度・地利級を連乗する(通達113)

つぎに、土地の上に生えている木そのものの評価です。まず評価単位から確認します(通達111)。

区分評価単位
森林の立木樹種及び樹齢を同じくする1団地の立木
それ以外の立木(庭園にあるものを除く)1本の立木
庭園にある立竹木その庭園にある立竹木の全部
立竹(庭園にあるものを除く)1団地にある立竹

杉・ひのきの森林は、標準価額をもとに計算します

財産評価基本通達は、杉及びひのきを「森林の主要樹種」と定義し、その評価方法を通達113に置いています。

標準価額 × 地味級 × 立木度 × 地利級 × 森林の地積
財産評価基本通達113(森林の主要樹種の立木の評価)の基本的な組み立て

3つの割合は、それぞれ次のようなものです。

要素意味(通達の表現)
地味級地味の肥せき――土地が肥えているか、やせているか
立木度立木の密度――木がどれくらい密に生えているか
地利級立木の搬出の便否――切った木を運び出しやすいか

標準価額は、原則として森林法7条1項にもとづき農林水産大臣が定めた森林計画区に属する森林の地域(林業地帯)ごとに定められます(通達114)。標準伐期における立木については、標準状態にある森林の立木(小出し距離が約300メートル、小運搬距離が約30キロメートルの地点にあって、地味級が中級、立木度が密である森林の立木)の売買実例価額を基とし、精通者意見価格や最寄りの原木市場・製材工場等における素材価額等を参酌して定められます(通達115(1))。

また通達113は、岩石、がけ崩れ等による不利用地があるときは、その不利用地の地積を除外した地積をもってその森林の地積とすると定めています。使えない部分まで評価しなくてよい、ということです。

[まだ若い木の評価]
通達115(2)は、標準伐期に達するまでの立木の評価方法を定めています。樹齢1年以下の立木は、標準状態にある森林の立木の通常の費用現価の100分の70に相当する金額とされ、その費用現価の計算では、苗木代・苗木運搬費・地ごしらえ費・植付費などの額から、国および地方公共団体から交付される補助金の額に相当する金額を控除することとされています。樹齢がそれ以上の若い立木については、樹種ごとの年数区分に応じた算式が定められています。

杉・ひのき以外の木、森林でない木

対象評価方法通達
森林の主要樹種(杉・ひのき)の立木標準価額×地味級×立木度×地利級×地積113
森林の主要樹種以外の立木通達117以下の定めによります117
森林の立木以外の立木(庭園にある立木を除く)売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価122
保安林等の立木113・117・122により評価した価額から、伐採関係の区分に応じた割合(0.3〜0.8)を控除123
立竹(庭園にあるものを除く)売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価124
庭園にある立木及び立竹庭園設備と一括して、通達92(3)の定めにより評価125

相続税法26条の「85%評価」と、特定計画山林の5%減額・山林の納税猶予

立木については、法律そのものに特別な評価の規定が置かれています。

相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。)により取得した立木の価額は、
当該立木を取得した時における立木の時価に百分の八十五の割合を乗じて算出した金額による。
相続税法26条(立木の評価)

立木はすぐに換金できる財産ではなく、伐採や搬出に手間も費用もかかります。そうした事情を踏まえた減額の規定と理解されています。

括弧書きに注意してください――誰が取得したかで変わります

条文には「包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る」という括弧書きがあります。つまり85%評価の対象となるのは、相続により取得した場合、包括遺贈により取得した場合、そして被相続人から相続人に対してされた遺贈により取得した場合です。

たとえば相続人ではない第三者に対する特定遺贈で立木を取得した場合には、この括弧書きの範囲に含まれないことになります。ご自身のケースがどれにあたるかは、遺言の内容と相続人の範囲によって変わりますので、必ず税理士にご確認ください。

[85%評価は「立木」の規定で、土地の山林には使いません]
相続税法26条は立木についての規定です。土地である山林の評価は、前半で見た財産評価基本通達45〜52によります。この2つを混同すると、土地まで15%引いてしまう誤りにつながります。

特定計画山林についての課税価格の計算の特例――5%の減額

森林経営計画にもとづいて計画的に山林経営を行っている場合などについて、租税特別措置法に特例が置かれています。

(相続税の課税価格に算入すべき価額は)選択特定計画山林の価額(中略)に
百分の九十五を乗じて計算した金額とする。
租税特別措置法69条の5第1項(特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例)

つまり5%の減額です。適用には、相続の開始の時から申告期限まで引き続き選択特定計画山林の全てを有していることなどの要件があります。

なお、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例は同じ租税特別措置法の69条の4に置かれた別の制度で、両方を無制限に重ねて使える制度ではなく、選択や限度額の調整に関する規定が設けられています。小規模宅地等の特例については小規模宅地等の特例の記事で整理しています。どちらを選ぶべきかは有利不利の計算を要しますので、必ず税理士にご相談ください。

山林についての相続税の納税猶予及び免除(租税特別措置法70条の6の6)

一定の要件のもとで、山林にかかる相続税の納税を猶予する制度も設けられています。租税特別措置法70条の6の6に定められた「山林についての相続税の納税猶予及び免除」です。

特定森林経営計画が定められている区域内の山林を、一定の被相続人から相続または遺贈により取得した林業経営相続人が、自ら山林の経営を行う場合などが対象とされています。要件は細かく、猶予が打ち切られる事由も定められています。適用をご検討の際は、必ず税理士および都道府県の林務担当部署にご確認のうえ、最新の内容は国税庁と林野庁でご確認ください。

山林・立木の相続税評価でよくある7つの落とし穴

  1. 立木を財産に計上し忘れる 山林の相続では土地と立木を別々に評価します(通達111以下)。とくに杉・ひのきの人工林は評価額が生じ得ます。固定資産税の通知には立木は載りませんので、森林簿などで樹種・樹齢・面積を確認してください。
  2. 「固定資産税評価額=相続税評価額」と思い込む 純山林・中間山林は固定資産税評価額に倍率を掛けます(通達47・48)。市街地山林は宅地としての価額から造成費を引く方式(通達49)で、固定資産税評価額とは大きく異なることがあります。
  3. 市街地山林なのに、純山林のつもりで評価する 市街地に近い山林は宅地に準じた高い評価になり得ます。まず評価倍率表で区分を確認してください。逆に、急傾斜地などで宅地への転用が見込めない場合は、近隣の純山林に比準します(通達49なお書き・注2)。
  4. 保安林であることに気づかず、控除を使っていない 伐採が制限されている山林は、伐採関係の区分に応じ0.3〜0.8の控除が定められています(通達50・123)。保安林は固定資産税が非課税で通知に現れにくいため、都道府県の担当部署や森林簿で指定の有無を確認してください。
  5. 相続税法26条の85%評価を、土地にも使ってしまう 26条は立木の規定です。土地である山林には適用されません。また「包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る」という括弧書きがあり、誰が取得したかで結論が変わり得ます。
  6. 境界や持分があいまいなまま、話を進めてしまう 山林は境界が不明確なことが多く、先代名義のまま共有になっている例も見られます。売却も分割も難しくなりますので、早めに現況を確認してください。境界については筆界特定制度の記事で整理しています。
  7. 届出や管理義務を忘れる 森林を相続したときは、森林法にもとづく市町村長への届出が必要となる場合があります。相続登記も2024年4月1日から義務化されています。手続き面は農地・山林を相続したらの記事をご覧ください。
ご相談事例
※以下は、実際のご相談を参考に構成した架空の事例です。特定の個人・団体とは関係ありません。

「たった数十万円の山だと思っていました」――Kさまのご相談

Kさま(60代・女性)は、お父さまが亡くなられたあと、相続財産の整理でご相談にいらっしゃいました。ご自宅と預貯金のほかに、県外に約3ヘクタールの山林があることが、固定資産税の課税明細書から分かったのです。

Kさまは「固定資産税の評価額は30万円ほどでした。こんな山、誰も欲しがらないでしょうし、金額もたいしたことはないですよね」とおっしゃいました。ところが評価倍率表を一緒に確認したところ、その山林は倍率が定められた純山林にあたり、さらに杉が植えられた人工林であることが、県の森林簿から分かりました。

私からは、「山林の相続税評価は、土地と立木を分けて考えます。土地は固定資産税評価額に倍率を掛け、立木は樹種や樹齢、搬出のしやすさから別に評価します。立木については相続税法26条という規定もありますので、正確な金額は税理士に算定していただく必要があります」とご説明しました。

Kさまは「木がお金になるという発想が、まったくありませんでした」と驚いておられました。その後、林業に詳しい税理士をご紹介し、森林組合にも現況を確認していただいたうえで、申告を済まされました。結果として、当初のご想像よりも評価額は大きくなったとのことです。

Kさまはご相談の最後に、「父は『山は手間ばかりで何の得にもならん』と言っていましたが、ちゃんと手入れをしていたから木が育っていたんですね。申告は大変でしたが、父の仕事を知ることができました」とおっしゃっていました。

― 私たちから一言 ―

山林は「調べるところから」が、いちばん大変な財産です

山林の相続でご相談をお受けしていて感じるのは、評価の計算そのものよりも、現況を把握するまでが大変だということです。どこからどこまでが自分の山なのか、何の木がどれくらい生えているのか、保安林に指定されていないか――現地に行っても、すぐには分からないことばかりです。

それでも、手がかりはあります。固定資産税の課税明細書、都道府県が備える森林簿、地元の森林組合。この3つを順にあたっていくと、輪郭が見えてくることが多いものです。

そして、山林の評価は区分ひとつで金額が大きく変わります。市街地に近い山をお持ちの方は、とくにご注意ください。「たいした財産ではない」と思っていた山が、宅地に準じた評価になることがあるからです。

私たちは評価額を算定する立場ではありませんが、どこに何を確認すればよいのかを整理し、林業の事情に明るい税理士におつなぎすることができます。山林のことでお困りでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。

一般社団法人相続なんでも相談センター 代表理事 宮野 宏樹

この記事のまとめ

  • 山林の相続税評価は、土地である山林と立木を分けて評価します。
  • 土地である山林は純山林・中間山林・市街地山林の3つに区分し、純山林・中間山林は倍率方式、市街地山林は比準方式又は倍率方式によります(財産評価基本通達45)。
  • 純山林・中間山林は固定資産税評価額×国税局長の定める倍率(通達47・48)。区分と倍率は国税庁の評価倍率表で確認し、相続が発生した年分のものを使います。
  • 市街地山林は(宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額-1㎡当たりの宅地造成費)×地積(通達49)。倍率が定められている地域は倍率方式によります。
  • 宅地への転用が見込めないと認められる場合は、近隣の純山林の価額に比準して評価します(通達49なお書き。判定基準は同注2)。
  • 伐採が制限されている山林・立木は、一部皆伐0.3・択伐0.5・単木選伐0.7・禁伐0.8の割合を控除します(通達50・123)。特別緑地保全地区内は80%の控除(通達50-2・123-2)。
  • 杉・ひのきの森林の立木は、標準価額×地味級×立木度×地利級×地積で評価します(通達113)。評価単位は樹種及び樹齢を同じくする1団地(通達111)。
  • 相続税法26条により、相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る)で取得した立木は時価の85%で評価します。土地である山林には適用されません。
  • 特定計画山林の特例は価額に100分の95を乗じる=5%の減額(租税特別措置法69条の5)。山林についての相続税の納税猶予は同70条の6の6に置かれています。
  • 最新の通達・倍率は国税庁で、森林の制度は林野庁・都道府県でご確認のうえ、評価と申告は必ず税理士にご相談ください。

参考文献(一次情報)

※本記事は一般的な解説を目的としたものであり、個別の事情により取り扱いが異なる場合がございます。本記事は税務上・法律上の助言を提供するものではなく、特定の山林・立木についての評価額や特例の適用を保証するものではありません。山林の区分の判定、宅地造成費の額、宅地への転用が見込めるかどうかの判断、地味級・立木度・地利級の判定、保安林の指定の有無、相続税法26条の適用範囲、特定計画山林の特例や納税猶予の適用の可否などは、土地の所在・現況、森林の状況、遺言の内容、相続人の範囲などの個別の事実関係によって結論が変わり得る事項です。本文中の通達・条文の引用は、読みやすさのために一部を省略し、要旨として示した箇所があります。正確な文言は必ず原文をご確認ください。評価倍率・標準価額・宅地造成費の金額は毎年改定されます。また記載した条文番号・通達番号は執筆時点で確認したものですが、法令および通達は改正等により変更される可能性があります。本記事の内容は2026年9月時点の情報に基づいていますが、実際にご検討される際は、必ず国税庁、e-Gov法令検索、林野庁で最新の内容をご確認のうえ、相続税の評価・申告については必ず税理士にご確認ください。本記事の情報を利用したことによる損害等について、当センターは責任を負いかねます。

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