墓じまい(改葬)の手続き――墓埋法5条の改葬許可、埋蔵証明書と受入証明書、離檀料に法的な支払義務はあるのかを完全ガイド
「この先、誰があのお墓を守るのでしょうか」――終活のご相談で、もっとも切実に語られるテーマの一つがお墓の行く末です。ここで多くの方が驚かれるのが、ご自身の家のお墓であっても勝手には片付けられないという点です。遺骨を別の場所に移すことは法律上「改葬」にあたり、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)5条1項により市町村長の許可が必要とされています。しかも申請先は、移す先の市町村ではなく、いま遺骨が現に存する地の市町村長(同条2項)です。許可されると改葬許可証が交付され(8条)、これが遺骨を動かすための通行手形になります。本記事では、改葬許可申請書の記載事項(施行規則2条1項)、埋蔵証明書と受入証明書、ご親族への相談から納骨までの7つのステップと期間の目安、墓石撤去や移転先ごとの費用の目安を整理します。そして現場でもっともこじれる「離檀料」については、支払義務を直接定めた法令の規定はなく、改葬許可の法定の要件でもないという法的整理と、埋蔵証明書が出ないときの実務的な対応をお伝えします。あわせて、お墓を誰が決められるのかという祭祀財産の承継(民法897条)、墓地・墓石が相続税の非課税財産である根拠(相続税法12条1項2号)、承継者がいないまま放置した場合の無縁墳墓の扱いまで解説します。